「食卓の向こう側」 応援団ブログ

西日本新聞「食卓の向こう側」応援団。世の中の「くらし」を明るくします。

【大分・佐伯市】村松 一也(むらまつ・かずや)蒲江の漁師、ブリ養殖

得意分野:

 

プロフィル
 1959年生まれ。高校卒業以来、生涯一漁師」をモットーに、家業の水産業に従事。現(有)村松水産代表取締役大分県佐伯市蒲江で、ブリ、シマアジなどの養殖業を営む。海に面した自宅に、ホームビデオを設置し、だれでもがインターネットで蒲江の海を見られるようにしている。
 目の前でブリをさばく料理教室や、講話には定評がある。

■ホームページ
「村松さんち」 http://www.saiki.tv/~muramatu/

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漁師ならではの鮮度、食べ方で「本物」を紹介
価格競争に入らずこだわりを持って

 一昨年、「かまえ直送活き粋船団」を地元の若手漁師10人で結成、言い出しっぺと言うことと最年長者っちゅうことで代表になりました。

 現在、立ち上げから一年半程経過していますが主な販売先は、地元の道の駅やデパートを中心に徐々に浸透しつつあるところです。

 かまえ直送活き粋船団の立ち上げに至った理由は、生産を続けていく上で消費の落ち込みや魚離れなど「売り」を人任せにしてきた分、利益も出なくなりどうにかして消費を伸ばそう、魚を食べてもらおうという思いからです。

 これまでの活動を振り返ると、スタートは10年ほど前のブリの宅配でした。しかし、ラウンド(一本丸ごと)では魚をさばけない家庭が多いという問題に直面。そこで、「お魚料理教室」のブリさばき方の講師として、県内各地を、漁協や業界団体の依頼で回ったり、小中学校の給食にブリを使った献立が出るときには、栄養士の先生の依頼でブリを持って行き、養殖の話をしたりしてきました。

写真 養殖場が見たいと言ってくれたお客さんには、船で沖まで案内し、直に餌やりの様子や養殖の様子を見てもらいます。そうすることで、養殖に対してマイナスの印象を持っていた人たちが、その目で現場を見て、考え方を変えて帰られるのを見ては喜んでいました。

 国の食品安全委員会や消費安全局の人たちともパネラーとして話し合いもしました。農水省水産庁にも要望を出しに行ったり、自民党本部まで押しかけたりしたこともあります。

 ただ、どれも非常に時間のかかる活動。お客さんに魚を食べてもらうには、「家族規模に合わせて小さく、しかも簡単に食べられるように加工したほうが早い!」っちゅうことになり、今に至りました。
漁師が自分の魚を使い、漁師ならではの鮮度で、漁師ならではの食べ方の提供ができれば、きっと喜んで頂けると思ったのです。(かなり甘かったが・・・)

 でも、価格競争の中に入らずこだわりを持ってじっくり販売活動をしていこうと思います。余分な流通コストを掛けずにシンプルな包装で、直接お客様に手渡しできるよう、出会いを求めて、日本中駆け巡っているところです。