【福岡・春日市】大牟田智子(おおむた・さとこ)春日助産院院長
■プロフィル
助産師。福岡県春日市の春日助産院院長。科学的根拠にもとづく医療、心と体をケアする助産普及のために、国際協力機構(JICA)にも参加するなど、精力的に活動を続けている。
■ホームページ
春日助産院:
http://www.kasuga-josanin.com/home.html
自然分娩 とは何でしょうか?
口で説明するのは非常に難しいのですが、医学的には正常分娩か異常分娩かの分類しかありません。一般に「自然分娩」という言葉はよく聴かれますが、よく聴いてみると人によってその定義は様々のようです。例えばある人にとっては「自然分娩」とは薬を使わないお産のことであり、ある人はおなかや会陰を切らないで産むことを意味したりします。分娩台で仰向けになって産まないことという人もいます。 自然なお産とは、その人の考えや価値観で大きく意味合いが変ってくるようです。さて、自然な、ということですがいったい自然って何でしょうね? 字のごとく「自らそうなること」を自然といいます。するとお産に限っていえば、哺乳類ヒト科の動物としてその人が持てる「産む機能を最大限に使ったお産」ということになります。 しかし、人間は野生の動物のように生きてはいません。発達した科学の恩恵を受けて、とっても落珍な生活をしています。その恩恵のデメリットの部分として、運動不足や飽食による体力の低下や慢性疾患、環境汚染による免疫の異常や自律神経失調などが発生し、多くの人が生活習慣病のリスクを抱えています。 そのため、全く自己コントロールなしに本来の自然な体を保つことが非常に難しくなっています。ですから、現代社会に生きる私たちが自然なお産をするためにはどうしても「体作り」と健康レベルアップのために工夫した生活ができるようにならなければいけません。そのまま放っておけば「自然」とはいかないのが現状です。 しかし、ひとたび自然な自分の体を実感されるとわかるのですが、本来の自分の体とは非常に気持ちいい体なのです。気持ちいいからだが気持ちいいお産をするのです。 そしてそこから気持ちいい母乳育児がスタートでき、出産や育児は非常に精神的.肉体的に気持ちいいことだということが見えてきます。 (春日助産院 ホームページより)